出身:富岡町
将来の夢は仲間と共に双葉郡にそれぞれの特性を活かしたNPO法人を立ち上げること
15歳になり立ち入ることが許された富岡町に初めて戻った
震災当時自分は小学5年生、その日は卒業式を控え、体育館で会場の準備を終えた直後でした。凄い揺れだったのでとても怖かったことを覚えています。その後自宅に戻ったのですが、余震も続いていたので自宅の隣にあった空き地で車中泊しました。翌日に避難指示が出たのですが、すぐ戻ってこれるとみんな思っていたので家には一度も入らず、着の身着のまま川内村に避難しました。しかし、1週間たっても原発事故は収束せず、川内も危ないと思い、茨城県にある祖父母の親せき宅へ避難し、そのまま、中学生まで過ごしました。だけどやっぱり、ふるさとが恋しいという思いはいつも心のどこかにありました。
自分はこの春、ふたば未来学園を卒業したのですが、入学を決めたきっかけは15歳になり立ち入ることが許された富岡町に初めて戻ったとき、自分の思っていた風景と全然違っていたことや、復興が進んでない現状にとてもショックを受けました。そして、自分にもできることは無いかと考えていた時に、広野町にふたば未来学園高校ができることを知り、当時関心があった海外に留学もでき、双葉郡に関わる様々なことが学べると思い、進学を決めました。
在学中はドイツのほか、アメリカのカリフォルニア州やニューヨーク州に留学し、同じ年代の人たちとの交流の中で様々な刺激を受けられたので、とても勉強になって、楽しかったです。また、学生団体を立ち上げ、広野町の農家さんからお借りした学校近くの畑で、ほうれん草やじゃがいもなど様々な農作物を育てたり、アメリカで見たファーマーズマーケットを広野町で開催したりしました。その活動の中でも、野菜の栽培が楽しくて、周りから「野菜に恋する佐藤」と呼ばれるほどハマってしまいました(笑)
行政の手が届かない細かいニーズに応えていける団体を作る
自分の夢は大学卒業後、双葉郡に仲間と一緒にこれから勉強したことの特性をそれぞれの分野で活かし、行政の手が届かない細かいニーズに応えていける団体を作ることなのですが、その一環として帰還した子供たちが農業に関わることが出来る機会作りなどをやっていけたらと考えています。
将来、自分は富岡町に戻ります。それが大学を卒業してすぐなのか、もっと後なのかは分かりません。そして、富岡町に戻って何をするのかビジョンが明確ではないし、これから学ばなければいけないこと、知らなければいけないこともたくさんあります。まずは、大学での時間を大切にし、少しずつ進んでいきたいと思います。そして将来、夢を実現出来るように頑張ります。
編集者:S/T
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