「双葉郡未来会議 season7 ~特集!牛たちの行方~」開催レポート 6

「双葉郡未来会議 season7 ~特集!牛たちの行方~」開催レポート 6

まとめと提言/谷さつきさん(大熊町/ふるさとと心を守る友の会)

 松村さんや吉沢さんのようにバイタリティあふれる方もいらっしゃいますが、農家さんたちの中には、うつ病や体調を崩したりして、なかには亡くなってしまった方々もいらっしゃいます。そういった犠牲を出さないために今後どうしたらいいか。
 法整備の部分で先ほど申し上げましたが、災害時に家畜を助けるための法律があります。それに沿って実際にどう動くか、具体的な部分が地域防災計画にしっかりと記述がされていなければなりません。そこがまだ曖昧で不十分なので、その位置づけを明確化して、動物の救護が適切に行える体制を整備することが必要です。
 今回の震災で得られたノウハウ、例えば離散した家畜を集める方法や柵を作る方法など、そういったものをしっかりとマニュアル化することで、今後に生かす必要もあると思います。
 引き続き、災害時に動物の救護が関係機関の協力のもと、迅速に行われるようにするために、平時から体勢を整備しておく必要がある、ということを強く訴える必要があります。これを啓発するために、酪農畜産のスタディーツアー又はホープツアーを実施することを提案します。松村さんの経験は大災害時に家畜を救護するモデルになりえると思います。教訓を活かして次の被害を防ぐ取り組みが必要なのではないかと思います。

 吉野復興大臣への要望
 全国では耕作放棄地や荒廃農地を牛で保全する取り組みに対して国から予算が出ます。残念ながら避難区域では適用されないので、被災牛の放牧が汚染を広めないこと周知しながら、適用できるようにお願いしたいと思っています。 それから今後の被害を防ぐためのマニュアル作りと法整備を行っていただきたいと思っています。農家の方々の経験をしっかりと次に活かせるよう、震災時にニーズがあった支援などについて丁寧にヒアリングし、積み重ねていければ、と思っています。それから立ち入りに関して、農家の方たちがスタディーツアーまたはホープツアーができるよう、制限を少し緩和してもらうための提案を考えています。私からは以上です。

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