『東日本大震災・原子力災害伝承館は、2011年3月11日に発生した東日本大震災及び原子力災害の記録と記憶を、国や世代を越えて伝えつつ、復興に向けて力強く進む福島県の姿と国内外からの支援に対する感謝の思いを発信する施設です。 東日本大震災・原子力災害伝承館 公式HP』
震災から10年を前に、やっと福島県立の震災伝承館ができました。場所は双葉8町村の中でも、一歩、復興へのあゆみが遅れていた双葉町の解除区域(旧・避難指示解除準備区域)で、中間貯蔵施設やイチエフからも近く、海も近いことから、東日本大震災・原子力災害を伝える場所としては最適な場所だと思われます。しかし準備段階から地元との関わりは薄く、県の一方的な進め方に疑問の声があったものの、まずは、内容的に世界中の人に震災を伝えられる立派な施設になったことは間違いありません。これからは世界に発信するだけではなく、地元にも愛される施設になっていくことを切に願います。
このように双葉郡では、避難解除エリアが少しづつ解除され、人を呼び込む体勢が徐々に整いつつあり、伝承館を訪れる際には、周辺町村の様子なども見て、感じてもらえたらと思います。この地域は日毎変化し、前に進んでいるので、今しか見られない変化の過程を、是非目撃しにきててください!
そして伝承館のすぐ近くには、津波で流された八幡神社の跡地があります。八幡神社は、2020年度中の再建を目指し、周辺エリアで再建が困難な神社をまとめる形にした「合祭殿」の候補にもあがっているのです。「合祭殿」とは各神社に残すご神体から分霊して合祭殿に祭り、氏子らが地元の神社の代わりに参拝できるようにするというもの。一般的に華々しく注目を集める新しい伝承館とは対照的に、歴史的にも文化的にも地域の身近な心の支えであった周辺各地の神社は、この時点でまだまだ再建の目処が立ってないところが多いのでした。
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