「双葉郡未来会議 season6 ~八町村だヨ!全員集合~」開催レポート(2)

「双葉郡未来会議 season6 ~八町村だヨ!全員集合~」開催レポート(2)

【司 会】平 山:葛尾村から東に進むと浪江町があります。浪江町も最近いろいろな動きがあって、新聞を賑わせていますね。

【浪江町】前 司:この一年、仮設商店街ができて地元の商店街さんが運営しています。はじめは4店舗、現在は8店舗が入っています。『浪江焼麺太国アンテナショップ』ができたことで、全国各地から、ご当地グルメファンもやって来るようになりました。また、準備宿泊も始まっているので、私の会社で経営している『ホテルなみえ』を準備宿泊で利用していただいて、私も泊まってみたのですが、タバコはダメ、酒はダメ、外出もダメ、「あれ、何のために泊まったのかな」と思ったので、役場さんにも問い合わせして「これからバーベキューもしたいんだよね」と言ったら、「今はまだ遠慮してもらうけど、やりたくなったら相談してください」と言っていただきました。
 浪江町は来年3月に向けて、帰還する人たちは気運が高まっているということです。それから、住宅も行政が準備しているところなので、それが完成に向かって進んでいるという状況です。

平 山:ありがとうございます。ちなみに、浪江焼きそばって、多いとき何食分くらい出てるんですか?

前 司:企業秘密とさせていただきます(笑)

平 山:というわけで、浪江焼きそばが売れすぎて困っているという浪江町でした。
 浪江町から南下していくのかな、大熊双葉を突っ切って、あ、トムトムがありますね。まもなくオープンの話がありますね、佐々木さん。

【富岡町】佐々木:浪江町と歩調を合わせるように避難指示区域が三区分に分かれている富岡町でございます。来年4月の帰還を目指すというところも、浪江さんと歩調を合わせております。
 住民アンケートの結果を見ると、商業施設が欲しいとか、医療施設が欲しいとか、住むところが欲しいとか、そういった要望が上位にランキングしています。6号線沿いにある大きな商業施設、トムトムと言いますが、町の方で買収して、公設民営型で今月25日に一部オープンしたところです。
 富岡駅も来年開通していただきたいとJRさんにはお話を何回もしております。それから住宅も作っております。何より一番大きいのは、富岡町にローソンがオープンして「希望の光が見えたな」というところです。

平 山:JRは来年?来年度中?

佐々木:一応、29年の早いうちに富岡駅は何とか開通していただきたいとお願いはしております。

平 山:ということで、富岡町はゆるキャラ・とみっぴーをよろしくということでした。
 大熊町はいかがですか?

【大熊町】秋 本:いわきから常磐道を通って仙台に行く途中、大熊町も通りますが、自分の住んでる町なのに、この間気が付いたら通り過ぎていました。震災から5年、1年近く一時帰宅もしていなくて、良くも悪くも、正直考える機会は少なくなりました。
 大熊町は、解除というのもまだ目途は立っていなくて、36号線沿いの大河原地区だけ開発がどんどん進んで、新しい建物が建っています。実際最近通っていないので、近々行きたいなと思っていますが、なかなか行くきっかけもなくて。
 大学時代の同級生に会う機会があって、「帰れるの?」などと聞かれたんですけども、県が違うと、どこの町が帰れて、どこの町が帰れないかという情報は全くないわけで。どうなのと聞かれて、あまり細かい話はせず、「まだちょっとダメかな」という答え方をしています。
 この公民館(広野町)に久々に来て驚きました。リフォームされてこんなに綺麗になっている。ここから、ふたば未来学園、体育館の奥にはふたば未来オフィスが見えます。なぜ私が広野の話をするかっていうと、27歳の時に大熊に帰ってきてからすぐ、広野昇竜太鼓をはじめて、よくこの公民館を使っていました。もう13年になります。大熊も故郷ですが、広野も第2、第3の故郷と呼べる場所です。
 大熊の話をしなくてはとも思いましたが、それぞれの町に関わりがあって、広野町は最初に解除になって、楢葉も解除になり、来年は富岡と繋がっていって、最終的には大熊町に繋がっていくのだと思います。広野町の帰還などが将来的には大熊に繋がっていくことなので、せっかく広野に来ていただいたんで、ここで説明聞いて、テレビのニュースと照らし合わせていただけたらと思います。

平 山:大熊からさらに北上すると双葉郡の中心でもある双葉町があります。双葉町、松枝君どうですか。

【双葉町】松 枝:ここの広野町は震災後2〜3か月後の一次立ち入りの時、後ろの体育館がスクリーニング場になってたなぁと思い出していたところです。
 最近の町の動きとしましては、6号線沿いに総合運動公園の方に中間貯蔵施設がありまして、そこに着々と黒いフレコンパックが集まりつつあります。
 他の町は大体三区分に分かれているんですけども、双葉町は2区分に分けれてまして、まったく帰れない地域と、帰れる地域に分かれています。人口比較しますと96%が全部真っ赤になっておりまして、残り4%のところが中浜という地域です。そこに国が復興記念館を、福島県がアーカイブ施設を作る予定になっています。その施設を強引に双葉町に持ってきたなと感じています。
 それから、他町村でもやっていると思うんですけども、双葉町は埼玉に役場機能を移していた関係上いろいろ遅れていまして、ようやく駅の近くにコンパクトシティを作る計画をしています、ですが、本当できるのかは分からないので、絵に描いた餅をやっていくような感じです。
 個人的な事ですが、震災があったとき、妻は妊娠4ヶ月で、子供が生まれてもう5歳になりました。5年は長いなっていう、短いようで長かったなっていう思いです。
 双葉町は埼玉に避難している方が多いと思っているかと思いますが、意外に2番目に多いのが郡山市でして、13市町村から7500人が郡山に住んでいて、その1割が双葉町の人です。郡山の良さを知っている転勤族とか、郡山に住んで所得の高い方が結構いらっしゃるので、マンション歩けば双葉郡の人はいるなっていう感じで、私は仕事で行政書士をやっているのですが、いわきナンバーだといじめられるというわけじゃないんですけど、いわきのナンバーを郡山ナンバーに変えたいとか、極力いわきを消したい、いやだという方が増えてきています。

平 山:実際、双葉駅の西側を復興拠点にしようっていうのは、どうなんですか?

松 枝:私の自宅と私の一族が暮らしてきた大熊の小入野地区は全て中間貯蔵の建設予定地に入ったので、もう住民票も動かしましたし、30年間は帰れないところなので、極端な話、はっきり言って興味がないというか。もう郡山でも子供会とか自治体の動きとかそういうのもありますし。
 双葉高校の集いというのがあって、視察に行ったんですけども、国にも広域立ち入り許可を取らないと入れないとか、やっぱり不便だなと。もう双葉郡全体で事務センターというのを作った方が、効率がいい部分も生まれてきているのかなぁと感じました。

平 山:後半は協働というテーマで話していきます。「協働」とは何か、調べてみました。複数の主体、共通の認識を共有する、共に力を合わせ活動する。素晴らしい言葉、意味なんですけども、コラボレーション、あるいはパートナーシップ、というように、英語にすると分かりやすいんじゃないかと思います。
 協働というからには一人でやることではなくて、一人で物事が解決してしまうなら、わざわざ協働する必要はありません。町は単体でなにもかも解決できるのか、個人・団体が、解決できる方が少ない、という難しいところがたくさんある中で、じゃあ協働でなにかやれることがあるなら、いろんな意見を出してみようじゃないかというところから今日スタートしております。
 協働というからには相手が大事なんですね、相手と自分との間に線がある、いろんな種類の線があります。壁とも言いますが。町村の壁、自治体ごとにそれぞれの方向性がある中で、なかなか連携ができないという、公益連携の壁、官民の壁、自治体あるいは、国県町と個人、会社という民間と公営の壁、あるいは、個人で活動しようとしたとき、限界がある、ここまではできるんだけどここから先は協力してもらわないとできないなぁみたいな限界という壁、超えて初めて協働という言葉になると思います。
 さて、楢葉町の鈴木くんから、「写真集を作りたい」という案が出ました。これどういう写真集を作るイメージでいるの?

鈴 木:双葉郡内で四季折々きれいな風景たくさんあると思うんです。富岡なんか特に顕著で、桜とかあるじゃないですか。広野でも大滝とかありますし。山にしろ、川にしろ、海にしろ、花にしろ、どこでもあると思うんで、それまとめて写真集に出来れば、まあ震災前・後問わずに写真集にできたらみんなハッピーだなと思いました。

平 山:なんか実現できると思うんですよね、双葉郡に特化した写真集震災前後問わずというところで、そのアイディアはのちのちいろんなところで、facebook中心に人集めて実現させたいなと思いますね。
 その他に、官民の壁、町と民間の壁を越えたところで、富岡町が進んでいますよね。まちづくり会社の説明をお願いします。

佐々木:富岡町では、まちづくり会社を立ち上げる仕組みづくりをしております。これはですね、行政ができないもの、行政の限界をひしひしと感じておりまして、箱モノを作るのは得意なんですが、それ以外は全くと言っていいほど手が出しようがなくてですね、とりわけ利益を出そうとすることもご法度。ですが復興を目指していきますとお金儲けたり、人々が集まるような母体となるところがないといけないと思っています。一足先に楢葉町でまちづくり会社が立ち上がりまして、それをパクらさせていただいて、富岡町も来年1月の設営を目指して内容を検討しているところです。具体的に何をするかといいますと、当面とりあえずイベント、お祭りを復活させようというような感じでいます。
 葛尾村さんもそうですが、お祭りをやってきた主体がほぼ活動できないというような現状です。無理やりに活動させようというのは難しいので、住民でやってきたお祭りを少しコーディネートしてみたり、事務局的な役割を果たしていって、小さくてもやり始めるという、最終的にはお祭りがその団体がやれるようになればいいなというように事業計画は進めているところです。

平 山:今のは官民の協働というところですね。今日役場の方が何人かいますが、自治体と自治体の協働では何かありますか。

佐々木:そうですね、自治体と自治体は非常に壁が厚くて、我々若い世代の職員は情報共有したり、やる気満々で一緒にやっていこうねと話していますが、政治の部分というのはやはりのしかかってくるところでございますので、なかなか解決できない問題の要因は一つそこにあるのではないのかなというところです。

平 山:社会福祉協議会というのがあって、うちの母親は富岡町民ですが、今は広野町に住んでいて、デイサービスおよびヘルパーは広野町の社協の方が来てくれています。これもある意味、ひとつの協働というところじゃないかなと。要は、近い人たちが面倒見てくれたらいいんじゃないか、みんなバラバラになってしまったしね。

下 枝:普段感じていることは民間と行政の関係も大変で、葛尾村でやりたいってことがあっても行政でそれをできる人がいないとできなくて。経産省から出来る人が二人来て、そこが入った途端にいろんなことが回り始めました。ですがその二人いなくなるっていうときに、そのアンバランスさはどうにかならないかなって思っています。
 それから、どの団体も共通しているのが、規模が小さくなっていくという事で、それは物だったり、人だったりが少なくなっていく中で、それを貸し借りできたらいいんじゃないかなって思っていまして。例えば、葛尾村のお祭りもそうだし、あとは、7月に別の場所でお祭りがあって、その時は秋本さんに大変お世話になりました。そういった困っている人と協力できるものって実はあるんだけれど、今はまだリンクできてない部分があるので、それを1つに集約できるようなサイトなのか場なのかがあったらいいなと。これだったら行政とか関係なく住民で、うちの庭先使っていいよとか、草刈り貸してあげるくらいのレベルでいいなと思っています。
 それから、県外から来ている方の悩みを聞くと、東京から来て寝泊りする場所がなくて、車で寝て、草刈り行くとか言うんですよ。それだったら、家の一部屋貸すとかできないのかなーって、毎回思うんですけども、そういったところで困っていることをリスト出して、貸し出せるものをバーッと出すことができるデータベースを作れないかなって。それを掛け合わせるような仕組みなり、シェアするなんかサイトがあったらいいなって思います。

平 山:ひとりが「困っています」と掲示板に声を上げれば、誰もがそれを見れるような、「協力しますよ」って言ってくれるような仕組みづくり。

下 枝: 掲示板を利用できるのは若い人ですよね。最初はやっぱりじいちゃん・ばあちゃん狙いで、彼らの使えるツールが電話かFAXなので、そういったところは、相談員、社協的な人がいたらいいなと思っています。

平 山:双葉郡未来会議がどこまでやるかっていうのは悩みどころではあるんだけども、復興指導員とかが訪問したときに、「どういうこと困ってますか」という風に聞けますので、大丈夫です。最近、浪江町役場を通じて相双ボランティアに月5〜6件依頼があって。これも官民協働ですかね。その点、大熊と双葉は難しいですよね。

松 枝:双葉8町村は被災の業務で多分いっぱいいっぱいなのかなと思いつつ、介護保険の見直しの中で、成年後見人とか、県議養護関係市町村の申し立てでどんどん外に出せるようになってきたんですね。それを行政書士会が受けて、郡山市では成年後見人なんかは5つにまとまるんです。逆に言えば田舎の町役場なんかは現金も全部自分たちでやっていくので、逆に一人でこなせちゃうんですけども、郡山市は中核市なので保健所だったり、担当が分散しているので、逆に、双葉郡の福祉部門も市長申立てっていう制度を使えば、下に落とすのも可能かなと。
 私が震災の時に対応していて思ったのは、ここを拠点にして、広野から大船まで浜街道があるんですけれども、双葉の浜街道から請戸の津波にのまれるのを見ながら建設課に浜街道を止めてくれって言ったら、ここは県の管轄下だから県の土木事務所に言えなんて言われて、いわゆる踊る大捜査線的なことがありました。それから、浪江町さんと遺体捜索をしていて、浪江町さんは住民生活課長と現場の区長に権限を委譲したんですね。でも双葉町は本店が埼玉にいて、現場には私一人だけがいて、ソフトバンクの無料の携帯電話を貸与されたんですけど、双葉地方はソフトバンク配られても意味ないなぁと。その中で、浪江町と一緒に動いていたので、そういう管轄というか権限移譲と共に、双葉町より浪江町の指揮下に入って臨機応変に動けるような、そういうプラットフォームを作っていければいいのかなと思いました。
 それから、双葉町では今、町政懇談会をやってるんですけども、開催日は平日なんです。そうすると来るのは高齢者ばかりが多くて。こういう未来会議とかを通して土日に開催してもらえれば、若い人も来やすいし、若い人の意見も取り入れられるんじゃないかなって思いました。

平 山:富岡町の町政懇談会は土日だよね。でも必ず若い子が来るとは限らないよね。そうなっちゃうんだよね、なぜか。
 ちなみに、まちなみマルシェはどういう形態で運営しているの?

前 司:形態としては、楢葉町の仮設の商店街と一緒ですね。建物と土地はすべて出してもらって。

平 山:無償提供?

前 司:そうですね。それから、資材もです。かかるのは、ランニングコストと人件費ですね。ただの仮設商店街といえば仮設商店街なんですけども、まあ一番の魅力といいますのは、人を呼び込める仮設商店街となっているかなと思います。岩手県と宮城県の沿岸部を回ってきて、仮設商店街があちこちにあったじゃないですか。成功した商店街もあれば、そうじゃない商店街もあったので、そういう部分は学んでいきたいと思っています。

平 山:来年4月以降住民が帰ってくれば重宝するだろうし、その人数によって継続していけるのかというある程度の数字も見えていくだろうし、なかなか難しかったりするところですけども、単純にそこを洗練することによってこっちにたくさんの人が視察に来たときに、寄ってもらえるかも。結構たくさんの方がこの辺は視察に来れる場所ができるってだけでも来る人にとってはありがたいし、地元の人の寄り合いに行く場になって初めて地元にお店が出来て、ちょっとだけでも経済効果があって、そんなところ期待するところなのかな。

前 司:これからやって行かないと分からない事ばかりなので、仮設商店街としては、楢葉町さんの方を見てればたぶん、1年以上たって、お昼を食べながら何食出てるのかなってうすーい目しながら見てるんですけど、まぁそれでもみなさんやってるので、仮設商店街の中でも問題なく続くのかな。
 ただ、双葉郡の情勢を見ると、お金落とす人が、作業員とかなんですよね。作業員の方のために営業するのもいいんですけど、地域住民が帰ってきづらいという状況があるので、住民向けの商売も進めていかなくてはいけないっていうのもそうですし、だから希望としては、仮設商店街を土日もやってもらえたら一番いいんだなぁって思ってます。
 また、ここにいわきの住民の方がいたら大変申し訳ないんですけども、今までずーっと視察やってきて思っていたのは、泊まるのはいわき、視察は双葉郡で、お土産買ってお金を落とすのはいわき市、という形だったんですね。やはりみんながお金を落とす、視察・観光っていうのは拒絶があるかもしれないんですけど、必ずお金を落とす部分がなければ地元は復興しないと思っています。

平 山:はい、ありがとうございます。官民の協働の一つということで、町が場所を提供している、ということですね。
 広野町には割と大きなNPOがありまして。6国の清掃や桜の植樹、あるいは広野で色んな活動をしているハッピーロードネットという団体です。双葉郡のNPOの中で一番活発に動いているところでありますので、教えて下さい。

前 司:ハッピーロードさんは、故郷に桜を植えましょう!ということで、6号線をメインに桜を植えています。NPOがポイントになってきまして、広野が6年目ということでこういう復興を進めていますけれど、実際先ほど話に出てきた官と民との壁ですが、なかなか深く行政側は考えを持っているわけでして、連携をもって進めていくということは正直難しいんですね。その中で誰がその役目を持ってくれているかというと、ある意味NPOの団体であったり、あるいは民間の団体であったり、そういう所が一時的に受ける、という。その「受ける」というのは窓口的な役割になってくれるという意味で。そのハッピーロードさんと、わいわいプロジェクトというNPOの団体があり、県外や色んなところから「応援したいんだ!」という話が行政側にあるわけですけれども、それを実現するためにどこが動くかというと、行政では正直なかなか動けないんです。それを、委託ではないですけど、こういった話が来ている、というなかで活動してもらえないかと。そういったことが続いてくると当然町のほうも活気が出てきますし、行政との信頼関係もできてくる。そういったところから賑わいなり、活動、協働といったことが出てくるのかなと。
 広野は解除も早かったので住民の方で戻ってくる方もいましたけど、やはり原発立地等とは住む方が違うのかなと。そして「人を呼ぶ」「人を呼び込む」と当然経済効果というものも出てきますけど、それは町自体には潤いとして落ちるんでしょうけど、やはり進めていかなければならないのは、住民を戻す・・・わけではないですね。住んでもらう環境作りが重要になってくるのだろうと思います。各町に「時間軸」というなかなか進んでいかないものがありますけれど、そこを最終的な目標として進めていく!という形をとっていかないと、なかなか前に進んでいかないのかな、と6年目になる印象として思っております。

平 山:ありがとうございます!官民の話をもうちょっと。会場のほうに話を振りたいんですけれども。福祉関係やっておられる人。楢葉町の佐藤さん、「ナラノハ」について簡単に説明してもらっても良いですか。

佐 藤:楢葉町でまちづくりプロジェクト団体をやっておりますナラノハの佐藤と申します。よろしくお願いします。
 福祉関係、とおっしゃっていただいたんですけれども、本業はいわき市で福祉施設の責任者をやっているものですから、今後どういう風にその専門職を生かして福祉を盛り上げていけるか、ということを考えております。そういった意味で僕みたいな福祉の人間が住民を集めてそういった活動をしているということに今後意味があるんじゃないのかな、と。やはり今後地域は包括的にというか、いわき市もそうなんですけど、先ほどお話も出たと思うんですけど。官だけでは難しい状況もあります。官民本当に一体になっていかないと福祉は成り立っていかないような状況でありますので、その辺は福祉にとらわれず、別なジャンルから入っていかないと福祉は真面目とかいうイメージがつきやすいので、僕は違うジャンルから入っていきながら福祉を盛り上げていければいいなと思っております。

平 山:そのご自分の活動の中で、楢葉町役場に委託されたりは?

佐 藤:委託・・・されたいですね!

平 山:されたいらしいっすよ!

佐 藤:何度か僕も役場には声をかけているんですけども、鈴木君には僕もよく協力していただいて。イベントの企画を!とか振っていただければうれしいですね。

平 山:楢葉町役場の方、ぜひひとつ、よろしくお願いします。

佐 藤:実際、イベントとかはやっぱり住民がやったほうがいいと僕は思っているところです。

平 山:ありがとうございました。
 ある意味、協働って言ったら鈴木さんが専門じゃないですか。これまでの話の中で感じる事はありますか。

鈴 木:協働を探ろう!となると、一気に協働!となってしまって、それこそ書いてあるような餅みたいになってしまうと思うんですね。最初に写真集作りたいってなった時にカメラマンの方がいて、とかなれば面白いねってなると思うんですけれど。

下 枝:今日は行政の方がこのテーブルに多いですが、私はどちらかというと住民団体側でやっていまして、やっぱりこううまくかみ合わないことが多くて、どうしたらうまくかみ合うんだろうな、と。ただ、住民側でいろいろ見ていると、役場と組むって、たとえば予算が取れるとか、信頼性が担保できるとか色々あるんですけれど、それは別として、協働とかの前に、同じ町の中でかみ合わないことがあるんですけれど、どうしたら・・・。葛尾を見ていると、組もうとしていざこざがあり、みんな個人的に始める人が結構多くて。そういうときにどうやったら行政とうまくやっていけるのか、行政側から「こういう住民団体だったら組みたい!」とか聞いてみたいです(笑)

平 山:「こういう住民団体だったら一緒に組みたい」ってこと?

下 枝:そうそう。そうです。たとえば、会計が適当にやってる住民団体もいるので、最低ここはしっかりやってほしいよねー、とかあれば。ちょっとしたものも逆に参考にできるというか、やりやすいな、と。

平 山:行政側から望むこと、か。町長!せっかくですから!はるばるお越しいただきましてありがとうございます!

浪江町町長:下枝君の質問、非常にキツい質問なんですけれども、ただひとつは、行政と民間という形よりも、まずは顔見て友達にならないといけないと思います。実際我々もやってますけど、民間団体の会計、ほとんどうちの職員がやってます。団体ばっかり作っても、みんなうちでやってる。じゃないとかえって回らないんです。だからそれでもやってます。嫌々言いながらも。なぜかって町のまちづくりになるから。自分たちができないことをやるって言ってもらってるんだからやる!ってやってます。じゃあ、そこまで行けるか、って話なんですよね、担当職員が残業しながら。やっぱりね、信頼関係じゃないけど、まずは友達にならないとだめ。通って通って話してると、情って移るから。これ良し悪しじゃないんですよね。やりたいことはみんな同じなの。町を何とかしたいっていうのはみんな同じなので、そこの中で会えば、やって欲しいんです。先ほどの委託の話じゃないけど、結局行政でやるとなると、いわゆる税金を使う話なので、そこにやっぱり垣根はあるんですよね。だから「仲良くなったからあなたにやらせたい!」っていうのじゃ駄目なこともあるんですよ。だからそういったところも含めて、難しいんですけどできるところでやってるというのが今の実態じゃないかな、と。なかなか折り合いつかないのもわかるんだけど。まぁ予算があっての話なので、どうしてもそこで引っかかってくるのはあると思いますけど、まずは仲良くすることだから。葛尾あたりなんて誰も知らない人なんかいないわけだから、仲良くなってから始まらなきゃダメだと思いますよ。

平 山:ありがとうございます!もう結論が出てしまって。まず仲良くなることからだと。まぁ会えば会うほど嫌われるっていうパターンもね。

下 枝:そういう意味で言うと、この場でそういう、グループごとの対談というか、あってもいいかなーとは思いましたね。行政のほうでも、若手の勉強会とかはあるんですか?

佐々木:はい、あのー、大熊町さんは、職員有志が1週間に何回か夜集まって、酒も飲まずに、未来を話しているらしいです。で、そこから、何個かプロジェクトが立ち上がって、町長さんハンコ押したっていうのは聞きました。今動いているようです。その話をちらっと先週聞いて、双葉町さんもやってみたいなっていう職員もいるっていう話もちらっと聞いて。なんかいい動きですよね。それが今職員だけで大熊町役場の中でやっているようなんですけれども、その輪をちょっと広げて、「こっち来なよ!」って言ってみたんですけど、なかなか会津からはちょっと遠いって言っていました。(笑)こっちから行きます、次回会津なんで!

平 山:あ、終わりですか!あ、はいどうぞ!

参加者:さっきの補助金とか、県とか行政との付き合い方って、私も補助金とったりするんですけれども、今たまたま私が行政に行ったときに付き合ってた方々が今県の課長とか部長とか振興局長になってるので、本当にさっき言ったように人と人なんですよ。まずこの補助金とるためにはその人と仲良くならないとあれなので、逆にここでこういう補助金を取りたいってなった時に一対一でやるのも一つの方法ですけれども、同級生とかいろんなつながりがあるので、そういうネットワークを作るっていうのはいいかもしれないですね。今市町村とか個人情報とか名簿とかってほとんど出てこないので、もう人伝えに聞いてネットワークを作っていくしかないのかなっていう、そんなのがありますね。

平 山:はい、ありがとうございました。あのー、特にね、ここにいろいろ話し合って特にアクションとか生まれなくても構わないと思っているんですけれども。まぁアクションって言ってもイベントとかやったり人を集めたりするだけのアクションではなくて、何かこう発信するっていうのも非常に大事なアクションの一つで。ホームページ作ったり、冊子であったり。そういうどっちかというと双葉郡未来会議も自分の中の認識では「本当の現状を発信する」っていうのがあって、そのさっき言った写真集であるとかね、あるいはどういうことで困っているっていう掲示板の話であるとか、そういういわゆる一つの発信っていうところを一つの双葉郡未来会議の柱として、いまだに課題というか、実践に移して行きたいと思います。写真集といっても本をダーンと作るような写真集じゃないし、ただ単にブログに毎日毎日写真を載せてる人がいる、すごい立派な写真が重なればそれだけで立派な発信だと思うし。あまりにも今日はざっくりとした協働っていう、まったくまとまらないまま時間が来てしまってなんだか申し訳ないんですけれども、官民の壁、自治体の壁が一つ、個人・団体同士の限界の壁が一つ、色んな壁がある中で、すべての壁を乗り越えていや、乗り越えるわけじゃないな、すべての壁を取っ払ってつながっていければいいのではないかな、というのが一つの結論なんですけども、その一つとしてこの双葉郡未来会議っていうところで・・・超えてますよね、ある意味。官民の壁。自治体の壁。そういうのが一つの口火、導火線となって今後の活動に繋がっていけばいいのではないかな、と思っていますので、今後みなさんの力添え、ここに、7人8人だけじゃなくて、ほかに飛び回っている人たちにも力添えになって色んな事、実施していきたいと思います。まずはその写真集と掲示板に関しては、ちょっとずつアクションを起して行こうかなと思っていますので、引き続きアイデアなどがあれば、来年以降のアクションとしていきたいと思います。
 あと特に質問とかなければ、いったんこのへんでクロストークのほうはお開きとさせていただきますが。どんなところですか!はい、では。まとまりなかったですけれども、第一部、というか前半のクロストークはここまでとさせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました!

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