八町村現状報告:葛尾村編(2)

八町村現状報告:葛尾村編(2)

大体、村民のお仕事がどういったものかというと、村の大きな産業は畜産や煙草だったりするんですね。他の町村さんと比べてみても、森林の割合が大きいというのが特徴なのかなと思います。そして農業のやり方ですが、専業は少ないです。ほとんどが兼業です。どういうことかというと、農業で食ってるって人ももちろんいるんですが、どちらかというと、ご先祖様から受け継いだ土地を守るために田んぼをやっている方が多いということです。これはやっている人たちに聞いた限りなので、本業の方が聞いたら怒られちゃうかもしれないですけど。農業経営は初期投資が大きくて、それを返済しながらやっていくので、かなり大変だと。それを専業でやるにはリスクが高いし、大変だという話を聞いています。
そんな風に、農業や林業や畜産が盛んなのですが、割と深刻なのが獣害、イノシシ被害です。恐らく、皆さんの町でも、イノシシが家に入ってきたとか、一時帰宅で自宅の玄関開けたらコタツの中にハクビシンが寝ていたとか、よくある話だとは思うんですけれども。イノシシっは泥で体を洗う習性があって、それで田んぼの土手を壊したり、田んぼの止水板を外して水が抜けるようにしてしまうという被害があると伺っています。
先ほど、大きな産業として畜産があると話しました。皆さん、米沢牛は食べたことありますか。実は、葛尾から米沢牛の子牛が出ているという話もあります。そのくらい、村の中の割合として、畜産は大きな産業であったし、気持ちをかける・力をかける産業でありました。それが、地震ではなく、その後の放射能の影響で殺処分するしかなかった。自分の生業を自分の手で潰すというのが、どれだけやっている方にとってどれだけ辛いことか。10年、20年、30年… もっと言えば、何千年と続いてきた畜産を、動物を処分しなくてはならなかったという気持ちがどれほど大変だったのかなと思います。
そして、他の町村さんと同じで、被災直後は(村が)ざっくりと切られてしまって、このように区分されました。
避難の形態、ここはよく聞いてほしいところです。これは村が発表している2月の数字から引用しています。
ほとんどの人は県内にいます。では、その県内にいる人の割合で、仮設住宅と借り上げの割合はどうかというと、(円グラフでは)仮設が青、借り上げが赤になります。借り上げ住居の人がどこに住んでいるかという割合が、こちらの地図になります。(地図上の円の色)青が三春町、赤が郡山、緑が田村市。大体このような配置で若い人は避難しています。これは、後でまたポイントになってくるので話したいと思います。
では、葛尾の人はどのような避難生活を送っているのでしょうか。避難先として、柳津とか会津若松に避難している人も今日いらっしゃっているんですけれども、会津に住民の多くが避難しているということで、お礼の石碑を建てました。
そして葛尾というといえば、石井食堂。行ったことがある人はいますか。石井食堂さんは村に戻って再開するとおっしゃっているので、ぜひ食べに行ってください。大盛りで有名です。いまは仮設で営業していますので、仮設、または村に戻ったあとの石井食堂に食べに行ってもらえればと思います。

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