半谷はんがい 克弘かつひろ さん  | 富岡町

半谷はんがい 克弘かつひろ さん | 富岡町

前双葉郡身体障がい者福祉会 会長
全国脊椎損傷者連合会 理事
ふくしまバリアフリーツアーセンター 理事
富岡町出身 65歳

 私は現在、全国脊椎損傷者連合会とふくしまバリアフリーツアーセンターの理事を兼任し、主に車いす利用者や障がい者に対する理解と周知をしてもらうための活動をしています。

 私自身、1999年に脳出血を起こし半身麻痺となり、杖歩行の生活をしていました。震災当時は自宅のベッドに横になりながらくつろいでいた時で、激しい揺れに体が硬直して起き上がることもできず、地震がおさまってから周りに散乱した物を避けながらやっと外に出たのを覚えています。それから川内村や関東各地を8回ほど転々とし、大玉村の仮設住宅に入居したのち、2014年12月にいわき市に自宅を建てて引っ越してきました。しかし、長い避難生活の中で足を悪くしてしまい、現在は車いすなしでは長距離の移動ができない状態になっています。

 当時は緊急避難時の際の障がい者に対する具体的な避難支援策がなく、身体的・精神的苦痛を強いられました。震災後に双葉郡身体障がい者福祉会の会長として被災した会員の避難経路の実態調査を行い、その調査データをもとに、体の不自由な方たちが自力で避難できる方法と速やかに入居できる借り上げ住宅の空き部屋情報をワンセットにしたシステムが作れないかと考え、様々な陳情書を国や県に提出する活動を続けています。

 また、2016年の熊本地震の際は自分の経験を活かし、車いす対応の仮設住宅を作る提案もし、規模は小さいながらも国内で初めてバリアフリーの仮設住宅が建設されました。

 しかし有事の際の災害弱者向けハザードマップが作成されておらず、対応はまだまだ十分とは言えないので、もっとスムーズな対応を求めたいと考えています。大災害に見舞われた福島県だからこそ、先頭に立って過去の体験を活かした町づくりをしていかないといけないと私は考えているんですよね。でないと、何も改善されません。

 私自身、生まれたときからずっと富岡町で生活してきたので、内心は帰りたいという気持ちはありますが、息子たち若い世代がいわきに住むと決めたし、同居するための家も建てたので、このままいわき市で暮らしていこうと決めました。富岡町へ帰るたび、町は着実に復興していると感じています。みんなが住み良いと思える街づくりがされるよう温かく見守りながら、自分の活動も続けていこうと思います。

2017年11月取材
文/写真:S/T