双葉郡未来会議 season 5 /特集!J-VILLAGE より2016.10.22 上田栄治さん(Jヴィレッジ代表取締役副社長)の報告

双葉郡未来会議 season 5 /特集!J-VILLAGE より
2016.10.22 上田栄治さん(Jヴィレッジ代表取締役副社長)の報告

J-VILLAGEについて

皆さん、こんにちは。上田です、よろしくお願いします。

まず、私はサッカー協会で女子サッカーに関わる仕事を長くやっていますので報告させていただきます。今日午前2時からフジテレビで女子のワールドカップ17歳以下の決勝が放送されました。日本対北朝鮮。残念ながら、PK戦で負けてしまいましたが、ワールドカップで準優勝しました。今17歳の選手ですから、この中から何人かは東京オリンピックに出てくる可能性があるんじゃないかと思います。また、試合に出場した選手の中に、福島県出身の選手が2人いました。千葉選手と遠藤選手。非常に優秀、期待のもてる選手ですから、ぜひこの名前は覚えておいてください。

さて、J-VILLAGEはこれまで原発事故の対応拠点としての役割を果たしてまいりました。これから、いよいよ本格的な工事に入っていきます。再オープンが見えてきた状況です。

J-VILLAGEは敷地49haで、東京ドーム10個分という大きさです。そして、以前のピッチは、天然芝が11面、人工芝が1面、雨天練習場、そういったバランスだったんですけれども、新たなJ-VILLAGEは天然芝が8面、人工芝が3面うち1つは全天候練習場で、このピッチ一面の大きさがすっぽり入る屋内練習場というのは、日本で初のものになります。それと雨天練習場もあり、天然芝と人工芝のバランスが変わります。それから、宿泊施設ですが、今ある宿泊施設に加えて、ひとつ新しいホテル棟が建ちます。これは約120室ということで、トータルで210室になります。

1999年には、天皇皇后両陛下が訪問されて、アリーナでレセプションパーティーをやりました。両陛下はJヴィレッジのS棟の4階にお泊まりになりました。そして何と言っても賑わったのは、2006年のドイツW杯のときの日本代表の事前合宿ではないでしょうか。こんなに多くの皆さんが見学に来られたということなんですが、そのときの日本代表の選手で、東北出身でもある小笠原選手は、東北支援にも非常に熱心に取り組んでくれています。

サッカーでは、小学生をはじめとする各年代ユースの大会が毎年行われ、Jリーグのチームやアルゼンチン代表、女子代表のなでしこJAPANも合宿しました。どうしてもJ-VILLAGEというとトップアスリートのための施設というイメージが強いと思うんですけれども、我々としては、小学生、グラスルーツですね、そして初心者の方も使えると考えていただきたいと思います。

わたしは2002年から2004年までなでしこJAPANの監督をやっていました。ですから、J-VILLAGEで合宿をすることは多かったんです。2004年、アテネオリンピックの予選の前に合宿したときには、2月に3週間ぶっ続けで合宿をしました。そういう中で、選手たちが非常に楽しみにしていたのが食事です。西さんの夕飯を非常に楽しみにして、豪華なおかずが並んでいながら、もう一品、必ず鍋物が付いてくるというものでした。しゃぶしゃぶ、すき焼き、寄せ鍋や豆乳鍋とか、いろいろと趣向を凝らしてくれました。そのおかげもあってこの合宿はけが人も病人も出なかったという記憶があります。 他にもいろいろスポーツの合宿が行われていました。このラグビー日本代表の合宿の写真では、後にワールドカップで活躍する福島県出身の大野選手の若き日の写真がありました。

震災直後のJ-VILLAGE周辺の写真です。これは6号線や広野駅近くの道路です。やっぱり、非常に大きな痛手を負っています。そして、震災直後のJ-VILLAGE内の様子です。雑然とした様子と緊張感というのが感じられます。そして屋外の様子です。ピッチの上に多くの車が駐車しています。今はもうNo.3No.5の芝生は工事が始まっていて、駐車されていないんですけれども、多い時では2000台くらい、大体7000人の方々がここから第一原発に通っていました。

そしてこれは昨年ですね、民友の新聞記事感想文コンクールというのがありまして、それで最優秀賞を取ったのが福島市立野田小の八重樫くんの「奇跡の復活Jヴィレッジ」という題の感想文です。

「日本代表が2006年ドイツW杯直前合宿をJヴィレッジで行っていた時、当時3歳だったぼくは、母に連れられて、連日応援に行ったそうだ。もちろんぼくに当時の記憶はないが、母の話によると、目をクリクリさせながらボールを見ていたらしい。3歳のぼくにとってJヴィレッジは楽しい場所だったのだ。」これが最優秀賞をとったということで、我々も非常に勇気付けられました。これが八重樫くんです。

新生J-VILLAGE5つの使命

 新生J-VILLAGEとして再始動することになりますが、我々には5つの使命があると思っています。まず、「福島県復興の姿を国内外に発信」すること、二つ目に「双葉地域の復興・再生を牽引」すること、そして「サッカー・スポーツ振興に貢献」、「未来を担うトップアスリート育成」に貢献していくということ、それと「地域コミュニティの中核と健康づくりに貢献」すること。この5つになります。

 赤で囲んだエリアが、2018年の夏を目指して営業再開しようとしています。そして、左側の白い建物が全天候練習場です。右端の青い丸はスタジアムになります。5000人規模のスタジアムですけれども、そこは2019年の4月に営業再開を目指しています。

そして、最後になりますが、J-VILLAGE復興サポーター」募集中です。これ、お得なところもありますので、ぜひ参考にしていただければと思います。個人のサポーターは寄付の額が一口2000円以上となります。この寄付は何に充てるかというと、全天候練習場です。これは福島県への寄付になります。そして、寄付をいただいた方全員にJ-VILLAGEサポーターカードというのを贈呈します。1万円以上寄付をいただいた方に、全天候練習場外壁へのネームプレート設置です。永遠に名前が残ります。それから、Jヴィレッジホテル宿泊半額割引クーポン券を1万円につき1枚差し上げるということです。団体企業の方は、寄付額の金額は設けていません。寄付をいただいた団体・企業様に感謝状を贈呈すると。そして、10万円以上寄付をいただいた方には全天候練習場外壁へのネームプレート設置であります。そして、税法上の優遇措置があります。ふるさと納税と同じような措置がありまして、個人の場合:2,000円を超える部分について、所得税住民税から控除があります。そういうお得なところがありますので、ぜひお願いしたいというところであります。

終わりに、我々のスローガンは「スポーツの力を復興につなげます」というものです。スポーツの語源というのは、気晴らしとか楽しみだそうです。ですから、我々としては、トップアスリートだけの施設ではなくて、グラスルーツからトップアスリート、そして皆さんの施設に、皆さんが気晴らしや楽しみに気軽においでいただけるような施設にしていきたいと考えております。どうかよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。

Jヴィレッジ復興サポーターの詳細は下記をクリック(PDF)