葛尾村視察レポート

葛尾村視察レポート

視察日:2016年7月30日(土)

『双葉郡未来会議』は「知る」「見る」「繋がる」という3つのコンセプトのもと活動を展開しています。今回は「おとなりの町村を見てみよう」ということで、『ふるさと未来創造会議』さんと共に町村視察を開催しました。

視察に伺ったのは双葉郡の秘境・葛尾村。同村は原発事故により全村避難が続いていましが、今年6月12日に、帰還困難区域を除いて避難指示が解除されました。解除されて間もない葛尾村を、村の方の案内で歩きます。

集合場所は葛尾村役場に併設されている村民会館。午前はここで葛尾村役場・松本さんから村の現状について説明していただきました。

昼食は大盛りで有名な「石井食堂」さんのお弁当。ボリュームもさることながら、味も最高でした。

腹ごしらえをして、午後は美しい緑の中を抜けて村内を巡ります。

はじめに訪問したのは村内で酪農の再開を目指す佐久間さんの牛舎。

震災前はご両親と佐久間さんご夫婦、親戚が協力して約130頭の牛を飼っていたとのこと。震災のわずか4年半前に立て替えたばかりの牛舎はいまも綺麗なままです。現在は郡山に生活の拠点を置きながら、会社を興して村内での酪農再開を目指しています。そんな佐久間さんからは、再開を決意するに至った経緯や現在の暮らし等についてお話ししていただきました。

 

酪農家/葛尾村議会議員 佐久間哲次(さくまてつじ)さん

次に伺ったのは、村内で実証栽培に挑戦する松本さんの田畑。

松本さんの田んぼがあるのは帰還困難区域の野行地区から1キロほどしか離れていない広谷地地区南部。米作りを生業としてきた松本さんは、原発事故後「村内で試験栽培をやりたい人はいないか」との呼びかけに率先して手を挙げ、米作りを続けてきました。平成27年からは実証栽培に取り組んでいます。しかしながら、来年度からは米作りにかかる費用の補助もなくなるため、ここからが本当の正念場だと松本さんは話します。

 

農家 松本邦久(まつもとくにひさ)さん

視察の最後は葛尾村社協・川島さんの案内で帰還困難区域の中をバス車内から見学しました。

帰還困難区域に指定されている野行地区には33世帯130名が暮らしていましたが、現在は4世帯を残してほとんどの世帯が新しい住まいを再建しているとのこと。川島さんのご自宅も野行地区の中にありましたが、背の高い植物が自宅の周りを囲み、長い間自宅に入れていないとのこと。また道のあちらこちらにイノシシが荒らした跡が見受けられました。帰還困難区域を抱えながらも避難指示解除をした村の困難さを目の当たりにしたような気がしました。

葛尾村社会福祉協議会 川島博幸(かわしまひろゆき)さん

視察後には参加者がグループに分かれて感想を共有、それぞれが葛尾村で何ができるかを模索しました。

葛尾村視察に参加して下さった皆さん、ふるさと未来創造会議の皆さん、そして案内をして下さった葛尾村の皆さん、ありがとうございました。

今年は葛尾村で盆踊りが再開、さらには葛尾村がふたばワールドの開催地域になっています!みんなで葛尾村を盛り上げに行きませんか?

 2016年8月14日 葛尾村盆踊り
 2016年10月2日 ふたばワールド2016 in かつらお